発音練習は「聴き音読」で

発音練習の基本は、手本とする英語をじっくり聴き、それをそっくり真似て言う練習である。これを何度も繰り返して練習するために、本記事では「聴き音読」を勧める。

多くの読者が、学校で教科書の本文をCDで聴いて続いて読む、音読をした経験があるだろう。本記事の「聴き音読」は、このお馴染みの「音読」に、通訳の訓練で使われる「シャドーイング」の要素を加えた。

『使うための英語―ELF(世界の共通語)として学ぶ』(著:瀧野みゆき/中央公論新社)

音読は英語のテキストを声に出して読む練習なので、気軽にできる。しかし、一般的にテキストを読むのが中心で、手本の英語音声への注意は疎(おろそ)かになりがちである。一方、シャドーイングは、テキストを見ずに耳で聴いた音を即座に真似る練習で、発音練習の効果は高いが、難易度も高い。

両者の要素を併せた「聴き音読」なら、比較的取り組みやすく、発音練習の効果も上げやすい。英語のテキストを見ながら発音するので安心感があり、音を聴きながら何度も繰り返すので、発音を集中的に訓練するからだ。まずは発音練習の素材の選び方を考えよう。