そして、複合的な動きに対応するのがバランス感覚。私たちは立ったり座ったり方向転換をしたり、いくつもの動きを組み合わせながら生活しています。加齢によりバランス感覚が衰えると、これらの動きに瞬時に対応できなくなるのです。

さらに、慣れ親しんだ家の中ではとくに注意力が低下しがち。間取りや家具の配置は変わらないのに何かにぶつかったりつまずいて転倒するのは、まさに注意力が衰えた証拠です。

逆に、階段や段差があるところは「危ない」と意識するので、実は転倒リスクはそれほど高くありません。

また、2つのことを同時にできなくなるのも注意力の問題。たとえばトイレに行こうと立ち上がったときに家族に呼ばれると、返事をすることに気を取られて足元がおぼつかなくなるのはその典型です。

このほか、血圧や貧血の薬を服用している人は、副作用でめまいやふらつきを起こすケースも。服用の際は転倒リスクがないか、かかりつけ医に確認しておきましょう。