人生にはさまざまな季節がある

樋口 若い頃、といっても50代、60代の頃の話ですが、当時は張りつめていたように思いますね。それこそバカにされたくないとか、ちょっと利口そうなことを言わなきゃいけないとか。私は見栄っ張りではないけれど、人様の前に出る活動をしていたので、どうしても人目というか、世間の批判が気になって虚勢を張っていたような節があります。

鈴木 でも周囲の目が気になるということが頑張る原動力になるということもあるのですから、そういう季節があってもいいと思うのです。

樋口 そう、人生にはさまざまな季節があって、突風が吹き荒れるような日々でさえ、過ぎてしまえば懐かしいのです。今はもう突風に耐えられませんので、穏やかな毎日を望んでいますが、穏やかに暮らすにはそれ相応の工夫が必要で、バカにされて楽をするというのもその一環です。

※本稿は、『なにがあっても、まぁいいか』(ビジネス社)の一部を再編集したものです。


なにがあっても、まぁいいか』(著:樋口恵子、鈴木秀子/ビジネス社)

物忘れがひどくなっても、足腰が痛くても、嫌な気分で生きるなんてもったいない!

ちゃっかりバアさんを目指しましょう!

92歳の2人に学ぶ、毎日を機嫌よく生きるヒント。