坂上二郎との交流

― 坂上さんって昭和九年会(1976年に昭和9年生まれの愛川欽也、長門裕之が中心となって結成した会)ですよね。

 そうですよ。愛川欽也さんとか石原裕次郎さんとかと同じ九年会。

― 本に書かれたのは、何か連載があったんですか?

 いえ、書き下ろしなんです。

― 白帝社「タイガーブックス」と書いてありますね。どういう経緯で出すことになったんですか?

 よくここの社長さんと飲んでましたね。この会社は参考書なんかを出していたので、やわらかい本を出していたところじゃないんですよ。

『木久扇の昭和芸能史』(著:林家木久扇、林家たけ平/草思社)

― では、坂上二郎さんのことをいきなり書き下ろしで書かれたんですか?

 何かに連載したものではないです。

― それでこれを読んだ坂上さんから連絡があったと。

 ご一緒したいっていうことでお会いしました。それで銀座のお店を何軒か連れていってくれましたね。日航ホテルでお会いして。あそこは人と落ち合うのにわかりやすいんですね。下はバーだし。横山やすしさんともいつもあそこでした。

― 確かに、以前は銀座付近で待ち合わせによく使いましたよね。それで何をお話しされましたか?

 あんまり仕事の話はしませんでした。歌手の鞄持ちをしていた頃の話はよく聞きました。大変だったって。あんまりかっこいい仕事じゃないって言ってました。