ネットには情報がありすぎて、調べれば調べるほど選択できなくなる。ご縁もあることだし、じゃあここにしよう! とカナダに決めたんです。実際バンクーバーはとっても素敵なところだったし、人が優しいというのも現地の友達から聞いていたので、相方の大久保さん含め、誰にも相談しませんでした。

芸能界を離れることに不安はありました。戻れなくなったらどうしようと。だけどそんなことで悩んでいたのは、カナダ行きの飛行機に乗っている間だけでしたね。

時はコロナ下。隔離中に行われたPCR検査で手違いがあったことに始まり、言葉の通じないなかで大変なことがどんどこ起きて、それに対応するので精一杯だったんです。

なんとか隔離が終わり、最初はホームステイ先から語学学校に通いました。クラスメイトに頑張って話しかけてみるけど、言葉がままならないからすぐに会話に詰まり、なかなか打ち解けられない。

だけど、少しでも言葉が伝わると嬉しくて、二、三言、会話できただけでものすごい達成感。そういう日はよく眠れました。新しい世界で毎日右往左往しているうち、「芸能界どうしよう」なんて悩みは吹き飛んだんです。

よく、脳の活性化には旅がいいと言うじゃないですか。視覚にも聴覚にも新しい刺激があるから、脳がつねにフル回転。過去を思い出したり、引きずったりする暇はありませんでした。