ダウンタウンのイタリアンレストランにて舌鼓(写真提供:光浦さん)

新しい人間関係が気持ちを楽にした

ホームステイ先は、ジョーク好きのケンと料理上手なグレンダという60代後半のご夫婦が暮らす大きな一軒家。ずっと一人暮らしをしてきて、初めての共同生活でしたが、すごく快適だったんです。

ほかのホームメイトは、20代と40代。50代の私を含めてみな年代はバラバラでしたが、いつしか家族のように仲良くなりました。

語学学校では、さまざまな国の友達ができて。コロンビア人と日本人、それからスイス人が多い学校だったのですが、私はヘレナというコロンビア人女性と親しくなりました。

コロンビア人は好き嫌いの表現がはっきりしていて、感情を表に出すから一見わがままに見える。だけど向こうからすると、日本人のほうがわがままなんだそうです。「日本人って和を保っているふうで、絶対意見を曲げない。頑固だよね」と言われたこともあります。ヘレナの周りの日本人が頑固だったってのもあると思いますがね(笑)。

例えば、みんなで遊びに行こうと話していて行き先について意見が分かれた時、折れないのは日本人。ヘレナをはじめコロンビア人チームが折れて、「仕方ないな、そっち行くか!」と、行った先で面白いことを探そうと切り替えられるんです。

どちらかと言えば、私もその場で面白いことを探すのが楽しいと感じるタイプ。だから私はヘレナといるのが居心地よかったですね。

それから、日本にいた時は、「みんなが私のことを知っている」という環境が苦しかったんだろうな、と気づくことができました。ほかの人の目があるから、キャラを変更できないというか。今はかなり解放的な気持ちで人づきあいができています。