見えない存在に動かされて
江原 ドラマ『北の国から』も、ピュアな心を取り戻してほしいという視点で描かれたのですね。
倉本 あれは、都会から電気も水道もない世界へ放り出された子どもたちがいたら、何を感じ、どう成長していくのだろうと思ったことがきっかけで手がけたドラマでした。
放送が始まったのは日本がバブルに沸く少し前でしたが、すでに日本中の誰もが文明の進化に触れて高揚していた。僕は得体の知れない危機感を覚えていたんですよ。
江原 先生は予言者であるとともに、スピリチュアリストであると思えます。私が先生の作品に強く惹かれるのは、その息吹を感じるからなのです。
倉本 自分では意識していません。ただ、目には見えない存在の力に動かされているのだろうという感覚はありますね。
江原 昨年オペラ化された倉本先生原作の『ニングル』は、まさにスピリチュアルな作品です。