倉本 まずはオペラ公演の成功、おめでとうございます。江原さんは原作にはないカムイ(神)の役を演じられたのだとか。
江原 血まみれになって、アリアを歌わせていただきました。
倉本 観たかったのですが、都合が合わなくて失礼しました。
江原 やはり先生の作品は奥深く、観客の心を揺さぶりますね。スタンディングオベーションが10分間も続きました。今年の9月に、東京での再演が決まりまして、全国公演も計画中です。
倉本 実のところ、僕はオペラ化の話を受けて、オペラ協会の人たちは無謀なことをなさると、ビックリしました。
江原 無謀というのは?
倉本 だってお金がかかるじゃないですか。小説『ニングル』を発表して、富良野塾で舞台公演をするまでに3年くらいかかったんですよ。金をかけずに演出するためには、さまざまな工夫が必要だったものでね。