多くの人が誤解している「平均寿命」
そして、家庭をもつ人、独身のまま過ごす人、子どもがいる人、いない人と家族の形態もさまざまで、ひと言で「60代」といっても、健康状態も、気持ちのあり方も、生活パターンも多岐にわたります。
昔よりも皆、見た目や考え方、行動も若く、「現役感」が強い人も多いのではないでしょうか。
加えて「平均寿命」は2023年度のデータによると、男性が81歳、女性が87歳(令和5年厚生労働省「簡易生命表」より)。60歳から20年以上生きるとなると、人生は長い。
こうした面からも、60歳で「老後」をイメージしようとしても、いまひとつピンとこないかもしれません。
ところが、この「平均寿命」を多くの人が誤解しています。平均寿命とは「今現在生まれた人が、いつ頃まで生きられるか」という予測値なのです。
つまり、2023年度の平均寿命は、「現在0歳の赤ちゃんが、男性なら81歳、女性なら87歳くらいまで生きるのではないか」という期待値なのです。
では、現在すでに中高年に差しかかっている人の寿命はどれくらいかというと、厚生労働省は「平均寿命」とともに、その人があとどれくらい生きられるかを予測した「平均余命」という数値も割り出しています。
これによると60歳男性の平均余命は約24年、女性の平均余命は約29年。今0歳の赤ちゃんよりは2〜3年多く生きるという計算です。
どうです?ますます「老後」は遠く、イメージしづらいものになったでしょうか。