かつては「50年」が、一生
かつては「50年」が、多くの人がイメージする一生の長さでした。
しかしそこから数百年の時を経て、ヒトの寿命は飛躍的に延び、日本人の平均寿命は80年ほどになりました。
その通過点である65歳は、価値観や行動が多様化した現代においては、人生のさまざまなステージが交差する年頃となっていて、第一線で働いている人、リタイアしている人、子育て中の人、孫がいる人などさまざまです。
企業や組織に属して働いてきた人たちにとっては、定年を迎えたり、雇用形態が変わったり、区切りを迎える人も60代はこれからの人生を考えるタイミング人はいつから老い、老人になるのでしょうか。
昔は60歳、いわゆる還暦が人生のひと区切り、「老人」のスタートでもありました。さらにそれ以前、例えば私の親世代は、定年が55歳だったことを覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。
1986年に「高齢者雇用安定法」が施行され、60歳定年が努力義務になり、88年からはさらに義務化されました。
2012年には同法が改正され、希望者全員の雇用確保(定年延長、継続雇用など)を65歳までとすることが義務となりました。
公務員は60歳だった定年が、段階的に65歳まで引き上げられることが決まっています。
さらに、2021年の高齢者雇用安定法の改正では、70歳まで雇用を継続することが企業に求められるようになりました。
「還暦を迎える60歳が定年」という社会通念とは異なる状況が10年以上も前に生まれているので、今は65歳を区切りの年としてイメージされている方が多いことでしょう。