見た目の若さと心身の充実ぶりには相関性がある

灰白質は脳の神経細胞が集中した神経組織で、加齢により変化が見られるので、灰白質の密度は脳年齢を測る目安になります。

この研究では、主観年齢が実年齢よりも若いと答えた人は、灰白質の密度が高いだけでなく、記憶力のテスト成績がよく、うつ病発症の可能性が低いという結果になりました。

「脳年齢を若くしよう」と、ファッションやメイクを若作りにしたところで、灰白質の密度が上がるとは言えません。

しかし、見た目の若さと心身の充実ぶりには相関性があります。趣味や好きなことに打ち込み、生き生きとしていること、体型や服装にも意識が向いていることが、脳の若さにつながっているのです。

気持ちが若々しいから見た目にも気を配れるのか、見た目を気にしていると気持ちが若々しくなるのか、相関性の科学的な根拠は明かされていませんが、年齢を重ねると、忙しさを理由に若いときほど見た目に気を配らなくなりがちです。

でも、見た目の若さを保つ努力は大切だと言えるでしょう。

 

※本稿は『脳を鍛える!人生は65歳からが面白い』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
「65歳」は老人なのか?人生を楽しめる時間は意外なほど短い。残された「健康寿命」は男性で8年、女性でも10年
なぜ和田秀樹がもっともなりたくない病気が<うつ病>なのか?「毎日がだるく食欲もなく、何か食べても味がしないというつらい症状が続き、ついには…」
同じ年齢でも、老けて見えるのはなぜ?柴田理恵が抗加齢医学の第一人者に聞く、健康長寿の秘訣「老化は病気の一種で治療も予防もできる」【2024年下半期ベスト】

脳を鍛える!人生は65歳からが面白い』(著:川島隆太/扶桑社)

60代からこそ脳を鍛えよう!

仕事も子育てもひと段落し、時間や心理的な余裕が生まれる65歳からは、
いわば人生のゴールデンタイム。
これから「自分はどう生きたいのか」を考えてみる絶好のタイミングなのです。

食事、運動、睡眠、人間関係…。
脳トレの第一人者・川島隆太氏が教える、
認知症にならずに「上手に老いる」ための脳を鍛える習慣!