「感情をコントロールする力」は取り戻せる
年齢を重ねてから良好な人間関係を築いていくためにも、こうした感情の老化を防ぐ必要があります。
じつは、感情をコントロールする力は、早めに気づいて対策をすれば、取り戻すことができるのです。
そのためには「脳トレ」はもちろん、「行動制御」のトレーニングも効果的です。ここでの行動制御とは、手足を左右別々に動かし、思わずどちらかにつられてしまうのを意識的に制御するトレーニングです。
例えば、下の図のように左右の手で違う動きを繰り返し行います。右手は「グー・パー・チョキ」の順番に、左手は「パー・チョキ・グー」の順番で動かしてみてください。
別々の動きをしようとすると、左右の手が思わずシンクロしてしまいますが、そうならないように強く意識して抑制しましょう。
トレーニングを行う際に重要なのが、「できるだけ早く動かす」ことです。ゆっくりやっていては効果がないので、「30秒間の間に4回繰り返す」といったように、なんとかできそうな目標を立てて取り組んでください。
こうした抑制力を鍛える脳トレを続けることで、前頭前野だけではなく、脳の運動領域の情報処理を行う「運動連合野」「運動野」といった部位が鍛えられます。怒りを抑制するだけでなく、イライラや不安を調整する効果も期待できますよ。
※本稿は『脳を鍛える!人生は65歳からが面白い』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
『脳を鍛える!人生は65歳からが面白い』(著:川島隆太/扶桑社)
60代からこそ脳を鍛えよう!
仕事も子育てもひと段落し、時間や心理的な余裕が生まれる65歳からは、
いわば人生のゴールデンタイム。
これから「自分はどう生きたいのか」を考えてみる絶好のタイミングなのです。
食事、運動、睡眠、人間関係…。
脳トレの第一人者・川島隆太氏が教える、
認知症にならずに「上手に老いる」ための脳を鍛える習慣!