神経のダメージは1日1ミリずつ回復する
足首の神経にダメージを受けていると見抜くことができず、適切な治療を行わないでいると、坐骨神経痛の痛みが強くなったり、痛みの範囲が広がったりしてしまいます。
原因をそのままにして、長時間にわたって高い負荷の運動を行ったり、連続して何日もくり返したりしていると、症状がより悪化しかねません。
とはいえ、歩くこともせず、ただひたすら安静に努めるというのも考えものです。そもそも、移動することなく生活すること自体が困難です。
また、安静にしようとしてできるだけ痛みを感じない姿勢を保とうとすると、本来動かさなければいけない関節を動かさないことで、関節が硬くなって可動域がせまくなったり動かなくなったりする「関節拘縮」が起こってしまう恐れがあります。
無理に運動しても、逆に動きを制限しても、悪ければ歩行困難になってしまうのです。
でも大丈夫です!
足首の神経障害による坐骨神経痛であると、正しい原因を特定できれば、打つ手はあります。
そして、原因と結果をよく分析して、再発を防止しましょう。神経障害の原因を取り除けば、保存療法で症状を改善させることも十分期待できます。もちろん、さらなる根本治療をめざして、手術を検討したり、対症療法を活用して日々の暮らしの質を上げたりするのもいいでしょう。
ただし、神経のダメージが回復に必要な時間は、1日1ミリと言われています。たとえば傷んでいる範囲が30センチメートルであれば300日、およそ10カ月を要するということです。ダメージを受けている時間が長ければ長いほど損傷箇所の長さも伸びていきますので、覚悟を決めて取り組みましょう。
なによりも、できるだけ早く改善に着手することが重要です。
※本稿は、『いつまでも自分で歩ける100歳足のつくり方』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。
『いつまでも自分で歩ける100歳足のつくり方』(著:萩原祐介/河出書房新社)
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