厚生労働省が公表する「令和3年度 医療保険に関する基礎資料」によると、1人が生涯にかかる総医療費は約2800万円(自己負担は最大3割)だったそうです。お金の不安がなく、健康なシニアライフを送るにはどうすればよいのでしょうか?今回は<健康のプロ>医師・鎌田實さんと<お金のプロ>経済ジャーナリスト・荻原博子さんによる共著『お金が貯まる健康習慣』から一部を、お二人の対談形式でお届けします。
皮下脂肪よりタチが悪い内臓脂肪
荻原 太ると腰やひざに負担がかかるというのは実感しましたが、メタボリックシンドロームになる危険性も高まるんですよね。
鎌田 そうです。メタボリックシンドロームって「内臓脂肪症候群」ともいわれるんですよ。脂肪は脂肪でも、内臓につく内臓脂肪が悪さをするの。
荻原 指でつまめるのが皮下脂肪、内臓についておなかがパーンと盛り上がるのが内臓脂肪、ですよね。
鎌田 そのとおり。内臓脂肪は、皮下脂肪よりもはるかにタチが悪いんです。ぼくが80キロにまで体重が増えたときも、内臓脂肪がすごかった。当時の写真を見ると、おなかまわりがはち切れんばかり。あれはかなり危険だったと思います。