大人のADHDの不注意優位型の特性

以前からGさんは、自分がどこか他の人と違い、やたらとミスが多いことを気にしていたようです。そして、ネットでいろいろと調べていくうちに「ADHD」にたどりつき、特に不注意優位型の特性は自分のことがそのまま書いてあると思ったそうです。

大人のADHDの不注意優位型の特性には、特に次のようなものがあります。

・忘れっぽい(ちょっとした用事を記憶しておくのが苦手)。
・注意の持続が難しく、気が散りやすい(自分が気になっていることに関心が向く)。
・ときどき、うわの空でぼんやりしてしまう。
・1つひとつの作業がきちんと終わらない。
・忘れ物やなくし物が多いので、捜している時間が長い。

不注意優位型の特性は、成人になっても持続することが多く、失敗ばかりの自分に嫌悪感を抱いて抑うつ状態になることもあります。Gさんは、抑うつ状態になっているような印象はありませんでしたが、きちんと診断を受けてはっきりさせたいと筆者のもとに相談に訪れたこともあり、発達障害の専門医を紹介しました。

医療機関を受診後、不注意優位型のグレーゾーンだったということですが、不注意の特性を和らげる薬(コンサータ)を処方され、それがよく効いており、受診して良かったと話していました。Gさんのように発達障害のグレーゾーンであっても、状況次第では薬が処方されます。