女性の多動性・衝動性優位型の特性
Hさんの話を一通り聞いたあと、自分でもコミュニケーションに難があることを薄々自覚していることが分かりました。「いつの間にか」誘われなくなった原因も自身のコミュニケーションの問題かもしれないと話していました。
その後、職場でのコミュニケーションを自分なりに努力して改善しようとしましたが、徐々に食欲や睡眠に問題が出てきたようです。寝不足もあって遅刻や出社できないことも増え、受診した心療内科では「適応障害」と診断され、ADHDについてはグレーゾーンでした。
Hさんのような人は、皆さんの身近にも思い当たる人がいるかもしれません。女性の多動性・衝動性優位型や混合型の特性が「おしゃべり」であることは先述した通りですが、この特性により次のような言動が目立ち、人間関係が難しくなっていきます。
・他の人が話している最中であっても自分の話を始める。
・余計な一言で相手を不快にさせる。
・その場やグループなどを仕切りたがる。
・突然、まったく違う話を始める。
・場の雰囲気を凍らせるような発言がある。
このような言動により、特に同性からは避けられる傾向があります。男性からは、自分の心に正直な言動をしている姿が天真爛漫に映るため、好意的に捉えられることもあり、そのことで同性からさらに嫌われる場合もあるようです。
なお、女性のADHDグレーゾーンについては、それぞれの特性が弱いため、特性というよりは個性や性格的なものと考えられ、幼少期や学童期で発見されることはほとんどないといってよいでしょう。
※本稿は、『発達障害グレーゾーンの部下たち』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
『発達障害グレーゾーンの部下たち』(著:舟木彩乃/SBクリエイティブ)
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