効率の良い「摂り鉄」方法
━━鉄分はどんな食品に多く含まれているのですか。そして、効率の良い「摂り鉄」方法はありますか。
鉄分は2種類あり、吸収の良い「ヘム鉄」と不溶性でヘム鉄よりは吸収が落ちる「非ヘム鉄」があります。
ヘム鉄は、豚や鶏のレバー、牛ももなどの赤身肉、しじみやあさりなどの貝類、カツオ、サバなどに含まれています。
非ヘム鉄は、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、油揚げ、豆腐、高野豆腐、茹でた大豆、卵(卵黄)などに含まれています。
鉄のフライパンや鉄鍋で調理すると鉄分は摂れますが、オール電化の家庭も増え、電磁調理器は鉄のフライパンや鍋が使えません。そういった生活の変化も鉄不足になる原因。ひじきも昔は鉄分の多い食品の代表でしたが、今は加工で鉄鍋を使っていないので含有量が低い。あ、ちなみにNHKの朝ドラ『おむすび』に登場する糸島のひじきは、今でも鉄鍋で煮ている加工業者があり、鉄分が多いと聞きます。
調理が面倒な人は、魚や貝の缶詰がおすすめ。サバ缶で汁も入れれば、だしを入れなくても、美味しい味噌汁にもなります。薬味にネギを加えるとよいでしょう。
ただし、吸収率はヘム鉄で15%、非ヘム鉄だと5%程度と低いのです。そのため、朝、昼、晩と3度の食事でこまめに鉄分を摂らなくてはいけません。タンパク質やビタミンCと一緒に摂る必要もあります。
タンニンを含むお茶やコーヒーは鉄分を阻害します。でも、大量に飲むのでなければ、それほど気にする必要はありません、鉄分は食事で多く摂っても、汗、尿、大便で排出されてしまうので、体内に蓄積する心配はありません。