60歳年下のスーパーマン
テレビコマーシャルを見る機会がなかったから、ライザップのことは知らなかった。じつは梅沢さんは2017年の秋からライザップでトレーニングを始め、翌18年春に約12キロ減を達成。そのビフォア・アフターの様子は全国ネットのテレビコマーシャルで放映されていた。崑ちゃんと梅沢さんが新幹線でばったり遭遇したのは、ちょうどその頃から少し後のことだった。
新幹線では妻の瑤子(ようこ)さんも一緒だった。しばらくして、瑤子さんからジムに一緒に通うことを誘われた崑ちゃん。ウエスト事件の熱はまだ冷めていない。こうしてジムの門を叩くことになった。
「最初は乗り気じゃなくて、説明だけ聞く予定でした。せやけど、受付の女性の言葉が巧みでね。それから、一緒にいた20代の男性のトレーナーがめちゃくちゃ格好良かった。身長が185センチあって、身体中が筋肉だらけ。思わず“この人に教えてもらいます”って指名してもうたんです。それがスーパーマンですわ」
「スーパーマン」とは、トレーナーの岩越亘祐(いわごえこうすけ)さんのこと。崑ちゃんとの年齢差は約60歳。アメコミの『スーパーマン』のような肉体だから「スーパーマン」と呼ぶようになった。
トレーニングを始めると筋肉痛が出た。あまりにひどかったので、すぐにやめてしまおうと思ったが、スーパーマンの一言で思い止まった。「寝てる筋肉が起きてる証拠です。筋肉が騒ぎ出してるだけだから、心配しなくていいですよ。その痛みが筋肉になりますから。じきにお腹も凹(へこ)んできます」――。