「親の介護は子の務め」という介護の壁
では、なぜ、介護問題が家族問題にすり替わってしまうのでしょうか。
その大きな要因となっているのが、「親の介護は子の務め」という日本人特有の家族意識だと、私は思っています。
そもそも親の介護を、なぜ子どもが担わなくてはいけないのでしょうか。
たしかに、民法には子どもには親の扶養義務があると書かれています。ただ、それは直接親の介護をしろと言っているわけではありません。
ケアマネジャーやヘルパーと連絡を取り合って遠くから見守っていたとしても、十分、義務を果たしていることになります。
何より、あくまでも「支える側ができる範囲で」と、ちゃんと書いてあります。この40年間で家族の形は変わってきました。
核家族化が進み、両親や義父母の介護を担っていたであろう専業主婦は減って、女性は外に働きに出るようになりました。