「介護は家族が…」という旧態依然とした家族意識
今の時代、『サザエさん』に出てくるような家は絶滅危惧種ですよね。家族みんながひとつ屋根の下で、懸命に支え合って暮らしている。
そんな名作ホームドラマに出てくるような家なんて、ほとんどありません。多くの人は、進学や就職などで家を離れて、自由な距離感で暮らしているわけです。
ところが、この距離感が心地良かったはずなのに、いざ介護となると、急に名作ホームドラマのような距離感を目指そうとしてしまいます。
そしてそれがうまくいかないと、自分が悪い、相手が悪いみたいな話になって、結果、家族の関係が壊れていくのです。
時代はものすごいスピードで変わっているというのに、日本人のメンタリティーは40年前のまま。
「介護は家族がやるもの」という旧態依然とした家族意識にとらわれていて、アップデートできていないのです。
もとより親の世代はアップデートしませんし、アップデートさせようとしても難しいですから、私たち子どもが、その家族意識を変えなくてはいけないと思うのですが、ほとんどできていません。
それが、介護における問題を生んでいるのだと思います。