職人の方々のそういったエピソードとともに、子どもたちに「将来、こんな仕事をする選択肢もあるんだよ」と伝えたいという思いを強く持ちました。
子どもたちに本物の日本文化にふれる機会を提供し、未来へ繋げたい。この連載を続けながらそんな思いが膨らみ、心游舎(しんゆうしゃ)という団体を立ち上げて13年になります。
一期生として参加してくれたお子さんが社会人になっていてびっくりしたりも(笑)。幼稚園での和菓子のワークショップに始まり、田植えから稲刈りまで行う米作り体験はもう10年目になります。
能登半島地震に際してはクラウドファンディングもなさっています。
――能登の漆芸職人の方々が、震災前から技や文化の継承問題に悩んでいらしたことは存じており、切れかけた糸がぎりぎりで残っているような状態と感じておりました。
その支援をするとともに、能登の漆芸文化を広く後世に伝えるため、「お能」の舞台にしてみよう。そんな試みにたくさんのお志を寄せていただき、本当に感謝しております。