昭和の横綱たちの人生

私は、小学校も中学校も自宅の近くだったので、大相撲のテレビ放送の時間に間に合った。子どもが好きなのは「巨人、大鵬、卵焼き」と言われていたが、巨人のことは兄にまかせて、母には「卵焼きよりも目玉焼きが好きだ」と言い、大鵬(第48代)とライバルの柏戸(第47代)の相撲に集中、腕組みをして偉そうに観ていた。

玉の海(第51代)と北の富士(第52代)もライバル。私は玉の海のファンだったので、27歳という若さで亡くなった時は、悲しくて普段からしない勉強がさらにできなくなった。雲龍型の土俵入りをしていた北の富士が、巡業で、亡くなった玉の海の代わりに不知火型の土俵入りをした話には、激涙した。

千代の富士(第58代)が連勝をしている時は、私は百貨店の担当記者だったので、広報室に資料をもらいに行くのは自宅への帰りがけと決め、百貨店内の家電売場でテレビを見ていた。そこには、千代の富士の連勝を祈る人たちが集まっていた。連勝は大乃国により53で止まり、ドラマチック過ぎた。その千代の富士は61歳で亡くなった。

昭和の横綱たちの人生を想うと、この貴重なポスターは、壁に貼らずに、私の財産である千代の富士や横綱になれなかった角界のプリンスと呼ばれた大関・貴ノ花様(崇拝の最高ランクなので「様」をつけている)などの特集雑誌や書籍が入った『相撲箱』に保存することにした。

令和の第74代横綱・豊昇龍はどんな相撲人生を歩むのだろうか?その次の横綱はどんなドラマを繰り広げるのだろうか?平和な世の中で、横綱の堂々たる姿を見たいものだ。

※「しろぼしマーサ」誕生のきっかけとなった読者体験手記「初代若乃花に魅せられ相撲ファン歴60年。来世こそ男に生まれ変わって大横綱になりたい」はこちら

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