(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
厚生労働省が発表した「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、週1回以上外食を利用する人の割合は20代が最も高かったそう。若い世代を中心に自炊をしない人が増えているなか、今回は、ミニマリスト・佐々木典士さんと自炊料理家・山口祐加さんが、「自炊の壁」ひとつひとつを言語化し、その解決策を練った共著『自炊の壁 料理の「めんどい」を乗り越える100の方法』から一部を抜粋し、<自炊を楽しく続けるコツ>をお届けします。

レシピに沿って作るのは労働!?

佐々木 レシピを見て料理をするのは、マニュアルを渡されて「この通りにやってくださいね!」と言われている感じがするんですよね。

山口 それはレシピを作ることを仕事にしている身として、毎回悩むところです。レシピが短いと言葉足らずになるし、長いと読んでもらえない。いずれにしてもマニュアル感が否めない。

<『自炊の壁 料理の「めんどい」を乗り越える100の方法』より>

佐々木 レシピに書かれている食材を全部きちんと用意するのは、誰かにお使いを頼まれているように感じることもあります。そして、調味料をきちんと量って、指示された時間通りに火を入れて。「3分たったら、油からポテトをあげるんだよ」みたいな指示は、ファストフードでバイトをしてたらきちんと守らなくてはいけないはず。レシピ通りに料理を作るというのは、そういったチェーン店で働いている感覚に近いこともあるでしょうね。料理しているというより、労働している

山口 本当にそうなんです! そうして料理を作ると、創作の余白がないように感じてしまいます。食べさせなきゃいけない人がいて、料理を作り終えなきゃいけない時間も決まっていて、失敗も許されない……。ほぼ労働に近いじゃないですか! しかも、お金がもらえない労働となると、誰でも嫌になるのが当たり前だと思うんですよ。