正義の戦争なんてものはない

――そこにはどんな目的があるのか。正義のためと言っても、爆弾が落ちれば、罪のない子どもも死んでしまう。戦争というのは、絶対にやっちゃいけないということを、骨身にしみて感じましたね。どんな理由があっても、戦争はやってはいけない。

戦争というのはいつも、いろいろな理屈をつけるわけです。向こうが非常に悪いから、正義のためにやるんだって言うけど、正義の戦争なんてものはない。間違いなんです。実態はとにかく計画的殺人で、これはやっちゃいけない。現在でも、それは強く思っています。

それぞれの立場の正義を、言いあう。言っている限りは、戦争は終わらないし、なくならないんです。

 

何のために生まれてきたの?』(著:やなせたかし/PHP文庫)