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心配し過ぎる、気をつかい過ぎる、怒り過ぎる──。「私たちは日々、何かを『し過ぎる』ことで、知らず知らずのうちに心をすり減らしています。でも、ほんの少し意識をはたらかせて『し過ぎない』ことを心がけるだけで、私たちはもっとラクに生きられるのではないでしょうか」と語るのは、禅僧の枡野俊明さん。そこで今回は、枡野さんの著書『「し過ぎない」練習』から一部を抜粋し、適度なバランスを見つけるヒントを紹介します。

迷い過ぎない

洋服選びからレストランの注文、旅行の行き先、転職や結婚の決断まで、人生は選択の連続ですから、迷ってなかなか決められないという方は多いと思います。いつもスパッと決められればいいのにと思いながら、優柔不断で迷ってしまう人です。

迷い過ぎてしまう理由は、心理的・環境的な要因が絡み合っています。

大きな理由の一つとして、失敗への恐れがあります。失敗を恐れる気持ちが強いと「間違った選択をしたらどうしよう」と過度に心配し、決断を先延ばしにしてしまいます。そういう方は「失敗は学びの一部である」ととらえて、恐怖心を軽減させるとよいでしょう。

他者の評価を気にし過ぎる人も、優柔不断になりがちです。他者の意見や反応が気になって、自分の意思よりも「どう見られるか」を優先してしまい、迷いが生じます。自分の価値観や目標を明確にして、それを判断基準にするようにしましょう。

選択肢が多い場合も、比較する要素が増えて選びきれなくなります。いずれかを選べば他の可能性が失われるというプレッシャーが影響しているのでしょう。選択肢が多過ぎる場合には、どうしても捨てられない条件を絞ってみるなど、自分でルールを決めるのもよいかもしれません。