アンパンマンを描かなかった時期
最初の絵本『あんぱんまん』は、「自分の顔を食べさせるなんて残酷」と批評されて、フレーベル館で描けなくなる。先生はサンリオの雑誌『詩とメルヘン』で、『怪傑アンパンマン』を描いた。同じ「アンパンマン」でも、両者には濃密な関係性はない。それぞれ独自のお話として楽しんでもらえればいいと、私は思っている。
それからしばらくは、絵本と言えばお姫様と王子様のお話だからと、『クシャラひめ』を描いたり『チリンのすず』を描いたりしていた。
「二年ぐらいアンパンマンのお話は描かなかった」
と先生は言っていたが、実際にはもう少し短い間だったようだ。