“おとな”になった息子に……

15歳は、おとな脳の完成期である。息子の15歳の誕生日、脳を知る私にはおおいなる感慨があった。

“おとな”になった息子に、「あなたは、おとな脳に変わりました。もう、私の子育ては終わり。これからは親友になろうね」と言った後、「ところで、ハハの子育てで、何が一番気に入ってる?」と尋ねてみた。

『子育てのトリセツ 母であることに、ときどき疲れるあなたへ』(著:黒川伊保子/ポプラ社)

どうせ「なんだろうなぁ」なんて言って、うやむやになるだろうと思っていたのに、息子は即座に「あー、それは、絵本を読んでくれたこと」と言いきった。

絵本?

きょとんとする私に、「そう。たくさん読んでくれたじゃん。ほら、『51ばんめのサンタクロース』とか」

懐かしい絵本のタイトルが出て、私もつい顔がほころんだ。「あ〜、あったねぇ。あと、身体が小さくなって、冒険するやつ」

「『ミクロたんけんたい』!」と、2人で声を揃える。