人が幸せになるために乗り超えるべきもの

執着する人は、その執着するものがなくなれば自分が自分ではなくなってしまう。だから執着するのである。名誉に執着する者は、名誉がなければ自分を感じることができない。お金に執着する者は、お金がなければ自分を感じることができない。

相手が持っていない性質を勝手に相手に付与して、その自分が付与した性質に自分が反応することがある。それが外化である。

『人はどこで人生を間違えるのか』(著:加藤諦三/幻冬舎)

自分が搾取タイプの人である場合、相手は善意の人である。しかし搾取する悪意を、善意の人である相手に外化する。つまり、勝手に相手を搾取する悪い人に仕立て上げる。そして「その悪人」を自分が攻撃する。

極端な例であるが、次に紹介するのは本当にあった話である。

自分が相手の土地を奪い取ろうとした。しかし奪えなかった。その時に搾取タイプの人は、相手が自分の土地を奪い取ろうとしたと信じる。

つまり外化が始まる。善意の人を搾取タイプの人に仕立て上げていく。そして自分をその被害者にしてしまう。そしてその人を憎むことで生涯を終える。

そういう人は何よりも「自分自身との関係」を改善しなければ、すべての人間関係はスムーズにはいかなくなる。