人のことを決めつける人は何かを抑圧している
またそのような人は、相手のことを決めつける。「お前は名誉が好きだから」と相手を非難する人が、実は自分の名誉欲を抑圧していることが多い。
私の父親は、私が名誉など関係のない少年期に「お前は名誉が好きだから」とよく私を非難していた。私はものすごく違和感を覚えていたが、今になって思えば、父親が名誉欲を抑圧していたことがよく理解できる。
そのような人は、自分が心の底で求めているものを意識的に拒否する。非難は、自分の心の葛藤を解決する手段となっている。投影には非難が伴う。自分自身の良心をなだめるためである。「あいつはお金ばかり欲しがっている」と非難する人が、お金が欲しいという気持ちを抑圧し、それを相手に投影して非難する。
抑圧の強い人は、相手の何気ない動作を自分自身の無意識の願望にしたがって解釈する。
何かの感情を抑圧している人は、こうしたら他人に気に入られるのではないかということについて誤解する。相手にこうして欲しいという気持ちを抑圧し、それを相手に投影する。相手が自分に望んでいることではなく、自分が相手に望んでいることを、相手が自分に望んでいることと解釈する。
相手に対する束縛の願望を抑圧して、相手は自分を束縛しようとしていると誤解する。自分のことを相手を束縛するような器量の小さい人間と思いたくはないが、実際は普通の人より器量が小さい。そのような時に、今述べたようなことが起きる。