心の葛藤を解消しようとしている
自分は気が小さいことを認められない人が、「あいつは気が小さい」と言う。気が小さくない人を、気が小さいとしつこく批判することで、自分の心の葛藤を解決しようとしている。
権力欲や世俗的なものへの憧れを非難することも同様であり、そうした攻撃性は自分の心の葛藤を解決する手段である。相手を悪く思い、悪いことを人のせいにすることで、自分の感情に向き合わずに済ませようとする。
ケチである自分を認められない、臆病である自分を認められない、冷たい自分を認められない。自分の理想は愛情豊かな人間であるが、「あいつは冷たい」「あの人は利己主義者」などと言って他人を非難することで、心の葛藤を解消しようとしているのである。
「あの人、いやらしいわよ」と責める人が、ものすごくいやらしいことがある。自分のいやらしさを認めることができない。その心の葛藤を「あの人、いやらしいわよ」と責めることで解決する。自分のいやらしさを認めている人は、そこまで酷く「あの人、いやらしいわよ」と人を責めない。