77歳のいまも医師として、多くの患者と接している鎌田實先生。これまで出会った人々や自身の体験から「人は歳を重ねて迎える下り坂でこそ、上手な人生のギアチェンジができる」と感じるようになったそうです。そして若い頃にはできなかった「ちょうどいいわがまま」や「ちょうどいい堕落」ができるようになった延長線上に「ちょうどいい死に方」が待っている…といった先生の想いをまとめた『うまいように死ぬ』より今回は一部を抜粋、ご紹介します。
手術は受けない
「手術は受けたくない」「生きがいの畑仕事も続けたい」
そうはっきり主張したのは、解離性大動脈瘤(かいりせいだいどうみゃくりゅう)が見つかった80歳の男性Bさん。
ほかの病院で手術をすすめられましたが、納得できず、諏訪中央病院の内科外来に来ました。
きのこ採りが大好きで、たくさん収穫できたときには「先生、おすそ分け、うまいから食べてみろ」と言って、持ってきてくれました。