双方向授業システムに活かせる技術

もうひとつの強みは、ニコニコ動画で培ったドワンゴの技術が、双方向授業システムに活かせることです。従来の一斉授業は学習効率が悪すぎます。時間にも場所にも制約があるし、生徒一人ひとりの理解度にも合わせられない。いつでもどこでも、コンピュータとネットを使って双方向の個別授業をやったほうが、質の高い勉強ができるに決まっています。

だとしたら、学校に通わないでネットで学ぶというのは、むしろ時代に合った最先端の学習方法です。双方向でおこなう授業のほうが、学びが深まる。

『教育ZEN問答-N高をつくった僕らが大学を始める理由』(著:川上量生/中央公論新社)

ところが、教育業界にはそういう最先端の学習法を実現するシステムを開発できるような企業がほとんどない。ドワンゴが進出すれば、IT化が遅れている教育業界にとっても大きな刺激になるだろうから、社会的な意義があると思いました。

IT化ということであれば、これまでは「全日制に行けない生徒のための学校」というイメージがあった通信制高校のほうが、逆に有利になります。通信制をオンラインで実現すれば、授業そのものがコンピュータとインターネットというITのプラットフォームにまるごと乗っかるからです。