近年のアメリカの入試
アメリカでは、日本の大学入学共通テストに似た「SAT」という1600点満点の試験がありますが、数年前からSATのスコアは不要、または任意になっている大学が出てきています。
なかには、SATのスコア必須の大学でも、満点近くとった高校生が落ちるケースも出てきています。なぜなら、同じ大学出願時に提出するエッセイが書けないからです。
このエッセイは、いわば長い自己アピール文のようなものです。幼少期から現在に至るまでに経験したこと、学んだこと、興味関心があること、大学で研究したいこと、社会で貢献したいことなどについて書きます。エッセイは、その人の経歴、学力、考え方、人物像、将来性などを見極めるため、大学がテストの結果よりも重視していると言われています。
不合格になってしまう学生は、正解が決まっている枠内のテストはできても、エッセイのような枠外のテストはできないのです。
アメリカの動きは10年遅れて日本に来ると言われていますから、今後、日本でもエッセイの提出が条件の大学入試が増えるかもしれません。そうなったとき、小学生のころから興味関心のあることを探究し続けてきた人が書くエッセイに、何も夢中になった経験がない人は勝てないでしょう。
※本稿は、『好奇心でゼロからイチを生み出す 「なぜ? どうして?」の伸ばし方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
『好奇心でゼロからイチを生み出す 「なぜ? どうして?」の伸ばし方』(著:小宮山利恵子/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
AIで何でもできる時代に、「正解」よりも大切なことは?
本書は、激変する時代を生きる子どもたちが食いっぱぐれない力、「ゼロ(0)からイチ(1)を生み出す力=ゼロイチ力」を家庭で育む実践ガイドです。
日本の学校教育とアントレプレナーシップ教育の現状をふまえたうえで、家庭で簡単に実践できるアントレ教育の具体例を紹介します。