ピンピンコロリ願望は早いとこ捨てたら楽ちんですゾ

多くの人が通る老いの道。私はピンピンを過ぎて、ドタリと倒れるまでの期間を、春日さんの言葉と今の自分の状態から「ヨタヘロ期」と命名いたしました。

ヨタヘロ期を認識したことで、気持ちがとても楽になりました。年をとってヨタヘロになるのは自然なこと、ヨタヘロしていてもいいのです。そして、ヨタヘロの身に鞭打ってピンピンを目指さなくてもいいのだと思ったら、心底ほっとします。

年をとれば遅かれ早かれ、寝込んだり、ボケたりする日を迎えます。そのときにどうしたらいいかを前もって準備しておくことが重要なのですが、弱っていったら負けという考え方のピンピンコロリ幻想を捨てないかぎり、老いをどう生きるかという現実への直視は、先送りされるだけでしょう。

否が応でも、多くの人はヨタヘロを生きるはめとなるのは仕方ないこと。けれど、ヨタヘロ真っ只中の私から言わせれば、命あればこそ、ヨタヘロなりにすごせる日々も悪くないものです。

※本稿は、『93歳、あとは楽しげに生きる ヨタヘロな私の心得69』(講談社)の一部を再編集したものです。

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93歳、あとは楽しげに生きる ヨタヘロな私の心得69』(著:樋口恵子/講談社)

「これが最後の本と思って書いたわよ~」

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