上から目線で話す人
年配者が多く参加するカルチャースクールやボランティアでは、基本的に上下関係はない。年齢、性別、過去の経歴にかかわりなく、参加者は平等に扱われる。ただし、過去の仕事や実績で、活動に貢献することはできる。かつて銀行で働いていた人であれば会計係を務める。法律に関わる仕事をしていた人は書類作成などを担当する。必ずしも現役時代を完全にリセットする必要はない。
そのように運営されている活動は「サメテガル」と相性がいいだろう。義務感で必死になる必要はないし、人間関係で窮屈さを覚えることもない。過去の能力や経験を参加者のために活かすこともできる。気の向いたときに参加して、合わないと思えばやめればいい。適度な距離を保ちつつ、楽しみながらゆっくりと参加できる。
ところが、いつの間にか会合を仕切ろうとする人が現れる。それなりに重要な役職についていた現役時代の癖が抜けないのだろう。その人が本当に有能であれば、周囲がおだてて上手に利用するのもいいが、たいていはメリットよりデメリットが上回る。
男尊女卑の時代を生きてきた人だから、女性の参加者に「書類を持ってきて」「メモにまとめておいて」などと指示を出す。男性に対しても過去の経歴を聞いて「自分のほうがかつては偉かった」と思うと、上から目線でアドバイスする。実際には「指示を受けた男性は大会社の役員だった」なんていうこともあるのだが、一度「自分のほうが偉い」と思い込んでしまうと修正はきかない。