(写真提供:Photo AC)
定年後、年配者としての話し方や振る舞い方が分からず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。作家の樋口裕一さんは「キーワードは、フランス語の『サメテガル』にある。フランス人の日常会話でよく使われる言葉で、日本語に訳すと『どっちでもいい』となる」と話します。今回は、樋口さんの著書『70すぎたら「サメテガル」: 「老害」にならない魔法の言葉』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。

年配者の中には「反撃」を始める人もいる

年寄り扱いをされて不快な思いが募る。不満や怒りが強まる。そして自尊心が頭をもたげてくる。やがて年配者の中には「反撃」を始める人もいる。

テレビを観ながら、「けしからん」と腹を立てる人がいる。アメリカの大統領選からウクライナや中東の紛争、隣国の政治不安まで世界的なニュースに対して憤る人もいれば、日本の政治家の不祥事や物価の値上がりを嘆く人もいる。

そして「これでは世界は破滅する」「このままでは日本は沈没してしまう」など、何とも大仰な感想を口にする。

とりわけ批判の声がエスカレートしがちなのは「若い奴ら」に対する批判だ。