やっぱり早々にこの世から退去したほうがいい気がする
現在の健康寿命は女性で75歳ぐらいと言われている。それ以降はだいたいが何らかの持病を抱えることになり、85歳になると認知症の有病率が55パーセントを超えてくる。
ああ、やっぱり早いうちに死んでおかないと、何一つ意のままにならない状態で孤立死して腐る、みたいな満貫死になってしまうかもしれない。やっぱり早々にこの世から退去したほうがいい気がする。
……ってなことを広言すると、「ははは、お若い方はだいたいそうおっしゃいますな。しかし、実際に年を取ると死にたくない、長生きしたいと思うようになるものですよ」と、したり顔の謎紳士がいんちきおじさんのように登場するかもしれないが、独身高齢者候補はそんな情緒的な話をしているわけではないのだ。
貯蓄はほぼなし、もらえるのは国民年金だけ。その状況で働けるほどには体が動かなくなってしまった独身高齢者の死況はどう考えても闇だ。一筋の光もない。暗夜行路である。
切実に、心身健康なうちに死んでおかないと、ヤバい。
なんということでしょう。
若くして死んでもうまくいかないし、年取ってからでもうまくいかないなら八方塞がりではないか。
まったくもって「どうすりゃいいのさ、この私」である。
【ポイント】
1.世の中には「生命表」なるものがあり、年齢ごとに一般的な死の確率がわかる。
2.心身健康なうちにぱったりは相当難しいようである。
(『死に方がわからない」(双葉文庫刊)61-72ページより)
※本稿は、『死に方がわからない』(双葉社)の一部を再編集したものです。
『死に方がわからない』(著:門賀美央子/双葉社)
「ひとりっ子親なし配偶者なし子なし」のひとり暮らしが増えている昨今、若くても、親兄弟がいても、いつなんどき部屋で倒れたり不幸にも亡くなってしまうという、孤独死ならぬ孤立死をしてしまうかわかりません。
本書は、ボッチのみなさんがいかに部屋で腐らず、綺麗に人生を閉じるかを、実例を挙げながらユーモア溢れる文章で指南する実用エッセイ。