効果的な減量法がなかなか見つからず、悩んでいる人は多いのではないでしょうか。内科医の奥田昌子さんは、「欧米人とは異なる“日本人の体質に合った”痩せ方がある」と指摘します。そこで今回は、奥田さんの著書『これをやめれば痩せられる: 医学的に正しい ダイエットNG習慣ランキング』から一部を抜粋し、お届けします。
肥満と関連する菌
善玉物質アディポネクチンを増やして太りにくい体にしてくれるのは、大豆蛋白質のβ−コングリシニンだけではありません。それが、海藻やキノコに多い食物繊維です。そもそも低カロリー、低GIで、独特の香りやうまみ、食感があり、しかも安価。ダイエットしたいなら、食べない手はないでしょう。
食物繊維は穀物や芋、野菜にも豊富で、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維があるのはご存じですね。不溶性食物繊維は水分を吸収して胃腸の中でふくれるので、少量でも満腹感が得られます。食欲がおのずと抑制され、食べすぎ防止に役立つわけです。一方の水溶性食物繊維も、別の形でダイエットを助けます。有効な腸内細菌の餌になるのです。
人の腸には、さまざまな種類の腸内細菌が合わせて100兆個もすんでいます。以前は、腸内細菌は腸を流れてくる食物の残りを食べて、ひっそり生きていると考えられていました。しかし、実際は、人が消化できない食物を特殊な酵素で分解して多種多様な物質を作り出し、人の体の機能を調整しているのです。そのなかに、肥満とかかわる物質を作る菌があります。
近年、肥満した人の腸には肥満を招く腸内細菌が多く、痩せた人の腸は脂肪をつきにくくする腸内細菌の割合が高いことが判明しています。
肥満と関連する菌は食物から栄養を取り出す力が強いため、この菌が多いと栄養やエネルギーを多く摂取することになります。