介護する側の負担をどう減らすか
結果、老父母共に要介護1に認定されたのだが、現状に見合った認定が下されたことより、主治医やケアマネージャーが介護する側の気持ちを理解してくれたことに安堵し、救われる思いがしたのは言うまでもない。
高齢者の介護問題というと、つい高齢者側に主眼が置かれがちだが、困っているのは高齢者本人ではなく、家族や周りの人。すなわち介護する側なのだということを忘れてはならない。
いくら血の繋がった親子でも、やれることには限りがある。精神的肉体的負担に加え、経済的負担が日に日に増していく高齢者介護。子ども世代、孫世代が追い詰められてしまうような社会は果たして健全なのか……。
「大介護社会」となった我が国ニッポン。これから益々増えていくことになるだろう介護する側の負担をどう減らすか。ニッポンはいま、待ったなしの状況に置かれている。
※本稿は、『実際に介護した人は葬式では泣かない』(双葉社)の一部を再編集したものです。
『実際に介護した人は葬式では泣かない』(著:こかじさら/双葉社)
自分の両親と子どものいない叔母夫婦4人の介護を経験した著者が、その実態を赤裸々に綴る。
「早くお迎えが来て下さい」と祈ってしまうのはあなただけじゃない、あなたは悪くない、と介護者の気持ちを軽くしてくれる、「大介護時代」必読のエッセイ。