自分の感情とよく向き合うことで、幸せを追求していくことのできる『アドラー心理学』では【怒り】という感情は、「自分自身で選んでいる」と考えられています。「パワハラが気になり、部下を怒れない」「ささいなことでムカつき、自己嫌悪に」「マウンティングする友達に、モヤモヤ」そんな感情にとらわれないためには、どうすればいいのでしょうか。ライフコーチである小泉健一さんが、自身の経験とアドラー心理学を活かして解説してくれる著書『その気持ち、我慢するより、できることがあるかもよ?アドラー心理学でわかった怒りのトリセツ』より一部を抜粋して紹介します。
人の話を聞かない
会話をしているとき、あなたが自分の話をしているのに、全然話を聞かずにスマホを見ているとか、話は聞いているけど「それ私もある!こないださぁ……」と自分の話にすり替えられたという経験はないでしょうか。
私はあります……。
人は自分のことを聞いてもらうのが好きなので、話を聞かないで自分のことばかり話す人が多いのは、ある程度はしかたありません。
でも、自分の話を聞いてほしいのに、全然聞いてもらえていないと、モヤモヤしますよね。
こんなとき、アドラー心理学では、次のように考えます。
モヤモヤしたときは、話を聞いてほしい目的はなんなのか考えてみましょう。
「自慢話をしようとしていただけだな」と感じたらやめればいいし、悩みがあって相談したいのであれば、きちんとその目的を伝えて、聞く姿勢になってもらう必要があります。
それでも相手が話をすり替えるような人であれば、もう話すだけ無駄です。
あなたの話を聞くかどうかは相手の課題なので、こちらで変えることはできないからです。

『その気持ち、我慢するより、できることがあるかもよ?アドラー心理学でわかった怒りのトリセツ』より(イラスト/いぬいまやこ)