(イラスト:たかまつかなえ)
総務省「国勢調査」(2020年)によると、日本の三世代同居率は4.2%。都道府県別にみると、一番同居率の高い山形県が約14%と1割を超えるのに対し、最下位の東京都は2%未満となっている。
事情があって、一緒に住んでみたけれど。実際は悩ましいことばかり……。千田久花さん(仮名・千葉県・パート勤務・68歳)は、小さな農村の一家に嫁ぎ、明治生まれの大姑と、義母と同居することとなったそうで――。

甘い言葉に騙されて農村の一家に嫁いだものの

「夕方5時半頃に着くから、準備をよろしくね」。土曜日、夫の姉から恐怖の電話が入る。婚家では毎週、義姉とその子どもたちもあわせての「家族団らん」が行われていた。しかしそこに、私の席はない。

私が嫁いだのは、小さな農村の一家。明治生まれの大姑と、若くして夫に先立たれ、一家の主として家を守ってきた義母と、同居することになる。義母や夫に「親族に尽くすのは嫁として当たり前のこと」と言い聞かされた私は、週末のたびに義姉一家をもてなした。

テレビで野球観戦をしながら、夕飯を囲む義母たちを横目に、私は座る暇もなく立ち働く。姑は自分では決して台所には立たないし、夫は私がため息をついても知らぬ顔。そして大姑は、義母に頭があがらず何も言えない。

平日は仕事、休日は「夫家族」に奉公する私の体重は、嫁いで数年で10キロ減った。私の心にゆとりがなかったせいか、わが家の子どもたち2人は、言いたいことを言えないひっこみ思案に育っている。義姉が連れてくる子どもたちは、まるで自分の家かのように振る舞っているのに……。

甥と姪を私に預け、義母と義姉がデパートなどに出かけることもあった。甥も姪も私によく懐き、私も可愛く思っていたが……。ある日、私が預かっている間に姪が発熱したことを、「お前の責任だ」と夫になじられたのはつらかった。