母の言葉を肝に銘じ

3月(現在は終了)には初めての舞台、しかもミュージカルに挑戦します。世界中で大ヒットした映画『ボディガード』の舞台化ということもあり、やりがいを感じますね。僕は、ボディガードのフランク役。オスカーを目指すスーパースター、レイチェルの護衛をしています。

レイチェルがストーカーに追われるというサスペンスの要素あり、ラブストーリーありと、見どころが満載。映画で使われた有名な楽曲を生で聴けるのも醍醐味の一つです。レイチェル役の柚希礼音さん、新妻聖子さん(Wキャスト)が歌うシーンはすごく盛り上がると思いますし、その迫力を体験できるのは舞台ならではでしょう。

僕がボディガードしたくなる女性ですか? 難しいな……。ただ、僕が今まで人を守りたくなった瞬間というのならありますよ。例えば、一方的に責められている人を見ると、「きっと言いたいことがあるけど言えないんだろうな」と、思わず手助けしたくなります。男女を問わず、どんな状況においても、少し立場の弱い人は守ってあげたくなりますね。

以前、母に「偉い人は好き勝手していられる。座りたい時に座って、飲んだり食べたりも好きにできるけど、それをできない人のことをきちんと見ておきなさい」と言われたことがありました。つまりは「立場の弱い人にもちゃんと目配りしてあげなさいね」ということなのでしょう。今もしっかり肝に銘じています。

俳優として一番大事なのは、見てくださる方の印象に残ることだと思うんです。韓国にいた時から、目の演技を褒めていただくことが多かった。だから表情や雰囲気に、インパクトがあり存在感のある俳優を目指していきたいです。

30代後半での日本デビューという、変わった道のりを歩んできましたが、くじけずにこれまでやってこられたのは、自分の思いや意志の強さだけではないと思います。家族をはじめ、周りの方たちにいつも助けられてきた。

今まで応援してくださった方たちを裏切らないように、これからも精進していきたいと思っています。