大きく伸びをして、深呼吸する
心が休まらないと感じる人は、「仕事に行く=戦場に行く」と無意識に体が臨戦態勢になっていることがあります。
これは、「戦場に行くくらい頑張らないと、その仕事がやっつけられないのだ」という脳の学習の結果で起こることがあります。
仕事がなんとかこなせた(戦場でサバイブできた)経験をした日は、興奮状態でたたかい、ボロボロまで消耗したのかもしれません。その経験を脳が覚えていて、仕事に行く心の準備が大変になり、元気や自信が出てこなくなることがあるかもしれません。
本当に、今の仕事はそんなにガチガチに体と心をこわばらせないとできない内容なのでしょうか?
もちろん、仕事そのものの量や質が過剰でプレッシャーが強いこともあるでしょう。
一方で、脳の学習の結果として、必要以上に臨戦態勢になっていることも多いです。そういうときは、あえて「戦場ではやらないこと」を行動に取り入れることが大事。
心身に「ここは安心な場所だよ、そんなに頑張りすぎなくても大丈夫」と教えてあげる行動です。
簡単なのは、大きく伸びをして深呼吸することです。うかつに隙を見せたら、戦場では刺されてしまいますからね。
しかし、戦場ではなく職場ですから、深呼吸しても刺されることはありません。緊張した心身を少しずつゆるめましょう。
戦場でやらないシリーズ番外編で、踊ってみる、思い切ってコマネチをしてみる(昭和の流行ポーズです。検索してみてください)など、隠れた場所でちょっと恥ずかしい行動を大胆にしてみるのも、冗談のようで意外な効果があります。
普段着ないようなちょっと奇抜な服やアクセサリーを選ぶ、髪型を変えてイメージチェンジするなども効果があります。固定パターンから抜け出し「突飛な行動」をして、脳の学習を書き換えることが大事なのです。
※本稿は『働く人の最高の休み方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
『働く人の最高の休み方』(著:佐々木那津/青春出版社)
「心がポキッと折れそう」「パフォーマンスをもっと上げたい」「仕事と家事を両立させたい」……すべては「心」の元気にかかっています。
東大のメンタルヘルスの医師が、長い人生をゆったり生き抜くための心と体の回復方法をやさしく教えます。休息することの大切さ、消耗しすぎる前に解決を模索することを提案する一冊です。