職場が戦場に感じる(写真はイメージ/写真提供:Photo AC)
厚生労働省の実態調査(令和6年)によると《労働者の8割以上が強い不安やストレスを感じている》とのこと。「寝ても疲れが取れない」「休日もリフレッシュした気がしない」など、産業医に対して【うまく休めない】という内容の相談が増えているといいます。そこで、東京大学で「職場のメンタルヘルス」を研究、また実際に、産業医として活躍する佐々木那津さんの著書『働く人の最高の休み方』より、一部を抜粋して紹介します。

「安心・安全」を感じることが第一歩

ここでは、今すぐできる10秒セルフケアの一部を実践してみましょう。働きながらどのように休むと良いのかを具体的に紹介します。

セルフケアの第一歩は、自分にとって、真に「安心・安全」であると感じる時間をきちんと作ることです。

仕事で心身ともにすり減りやすい人は、職場がまるで「戦場」のように不安に感じるかもしれません。

戦場とまではいかなくても、周りから攻撃されるのではないか、脅かされるのではないかと、プレッシャーを感じる場所というイメージです。

そのような状況下では、心身が緊張しすぎてリラックスできず、自律神経の乱れによって疲れてしまいます。

実際にハードな環境である場合はともかく、そうでない場合も戦場であるかのように感じるのは、脳の過剰反応によるものです。

「しっかりやらなきゃ」「怒られないようにしなきゃ」と、心身が臨戦態勢になっているのかもしれません。その場合は「今は安全である。ここは安全な場所である」と、しっかり脳に感じさせるアプローチが大切です。

そのためには、働きながら心や体を休める方法を知ることが必要です。でも本当にそのような方法があるのでしょうか?

大丈夫です。セルフケアをしなくては、と意気込んだり焦ったりする必要はありません。簡単なものから少しずつ始めましょう。働きながらこまめに休む習慣を、日常のなかに自然に取り入れると、少しずつ心や体に変化が生まれます。