自給自足の生活にあこがれて

これから先やりたい役者としての仕事は、具体的には何も見えていません。もちろん、「いい」と思った仕事に臆せず挑戦していきたいという気持ちはあります。例えばですが、こんな役をやって子どもがいじめられたらどうしよう、と思ったら、『全裸監督』はできないですよね(笑)。

僕は「オレは誰にもできないことをやっているんだよ」と胸を張っていたいし、子どもがいじめられる心配をするくらいなら、いじめられてもびくともしない肉体と精神を一緒に作ればいいと思う。

僕は、自分で大枠を作ることはせず、何か提示されたときに、「あ、これ、いいな」と思ったらそこにアイデアを放り込んで話し合いながら作っていくタイプ。新しいことはたいていそんなやり方で始まります。

そのアイデアの芽みたいなものは、どこにでも転がっていますよ。例えばご飯を食べに行くときや、飲みに行くとき、僕はたいてい連絡もせずに一人でフラッと行く。そうすると、職業も年齢も性別も宗教も人種もさまざまな人と出会うことができます。そこでの会話が何かのアイデアになったり、出会った人とこういうことが一緒にできそうだなと考えたり。出会いそのものを楽しんでいる感じですね。

これから先、「送ってみたい人生」ならあります。それは自給自足の生活をすること。田舎育ちだったからでしょうか。野菜は育てているものをとってきて食べる、母と海に行ってアジンコをいっぱい釣ってくると、それが晩ご飯のおかずとして出てくる。生きていくために必要なことをするというシンプルな生き方、いいですよねえ。人間って本来そうあるべきじゃないかという気がするなあ。

芝居は好きでやっていることで、そのためには東京にいたほうが、効率がいいけれど、実は田舎暮らしにあこがれてるんです。(笑)

 

山田さんの主演映画『ステップ』7月17日(金)公開!