よい呼吸で典型的なのは……

一方、よい呼吸で典型的なのは「深くてゆったりした呼吸」です。

これは、心身ともに調子がよく、副交感神経の働きが高くて自律神経が整った人に目立つ呼吸の仕方です。

『60代からは体の「サビ」を落としなさい』(著:小林弘幸/飛鳥新社)

深くてゆったりした呼吸をしていると、横隔膜が大きく上下に動き、そのたびごとにたくさんの空気を取り入れることができます。

すると、脳や体の細胞にたっぷりの酸素が送り込まれ、全身の細胞が活発に働き出すのです。血行がよくなって体がよく動くようになりますし、肌や髪の調子もよくなります。また、免疫力が高くキープされて風邪などの病気にかかりにくくなります。さらに、精神的にも身体的にもコンディションが安定して、仕事などでも慌てることなく自分の力を発揮できるようになっていきます。

そして、このように心身がよいスパイラルで回っていると、SODなどの抗酸化酵素も効果的に働いて、おのずと活性酸素の害が最小限に抑えられていくものなのです。

ですから、浅くて速い呼吸をしがちな人は、意識して深くてゆったりした呼吸へと変えていくことをおすすめします。それだけでも、毎日の呼吸によってもたらされる活性酸素ダメージをかなり縮小させることができるはずです。