老化による外見や体力、身体機能の衰えに悩む人は多いのではないでしょうか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、老化の原因は「体内で発生する活性酸素」にあり、病気を進行させてしまうと指摘します。特に、「60代は、活性酸素の害=サビつきが一気に進む時期」なのだそうです。そこで今回は、小林教授の著書『60代からは体の「サビ」を落としなさい』から一部を抜粋し、厄介なサビの落とし方をご紹介します。
起床直後と就寝直前の歯磨きを習慣にして歯周病菌が体中に散らばるのを阻止する
歯周病は「口の中だけの限定的なトラブル」と捉えられがちですが、そうではありません。
むしろ、全身病です。歯周病菌が血中に入るとその毒素が血流に乗って体中に広がっていき、全身の臓器に炎症などの悪影響をもたらすようになるのです。歯周病によって引き起こされる不調や病気などのトラブルは広範囲に及び、「歯周病は世界でもっとも患者数が多い感染症」だとも言われています。
こうした歯周病が引き起こすトラブルに活性酸素が大きく関与しているのです。
最初、口の中に歯周病菌が増えてくると、免疫システムは活性酸素を“手下”のように使って歯周病菌をやっつけようとします。
ところが、口の衛生管理が悪く歯周病菌が増えてきてしまうと、活性酸素が過剰になり、増えすぎた活性酸素が歯茎などの細胞組織をさかんに攻撃するようになります。これにより、いっそう歯周病が進んでしまい、歯周病による炎症が進むと、さらに多くの活性酸素が集まってくるという悪循環に陥ってしまうのです。
そして、増殖した歯周病菌が血中に入ると、菌の毒素が全身にバラまかれることになるわけですね。