食事は薬にも毒にもなる

このように、口で噛んでいるときの食事は「おいしい」あるいは「まずい」ものにすぎませんが、小腸から血液中に吸収される栄養素となると、「体に良い」あるいは「体に悪影響を与える」存在に変わります。

「栄養素なのに体に悪影響を与えることなんてあるのか」と、疑問が湧くかもしれませんね。栄養素は足りなくても、多すぎても、体に悪影響を与えます

『すぐに実践したくなる すごく使える栄養学テクニック』(著:牧田善二/日本実業出版社)

炭水化物を食べることで得られるブドウ糖を例に考えてみましょう。活動するときのエネルギー源として必須のブドウ糖ですが、多くの現代人は過剰に摂取することで血糖値を上げ、糖尿病や肥満の原因となっています。

いってみれば、食事は薬にも毒にもなるわけです。だから、内容の良いバランスに優れた食事を摂ることで、多くの病気は防げるわけです。

もちろん、食事には満足感が必要です。好きなものを食べて「おいしかった」と感じることは、ストレスを軽減させてくれます。

ただし、その「おいしかった」を、偏った食事に対して感じているようなら、すでに病気予備軍になっていると考えたほうが良いでしょう。内容の良いバランスに優れた食事を、楽しく幸せな気持ちで食べているならば、たいていの病気は予防できるはずです。