どうやって多くの食品を摂るか

「ある特定の食材ばかり食べていれば、体に取り入れられる栄養素も偏ってしまうから、できるだけ多くの食品を取り入れるべき」。そんな言説は聞き飽きたかと思います。

でも、聞き飽きるほどそれを耳にするのは、やはりそれが「食事の黄金法則」だからです。むしろ皆さんが気になるのは、「どうやって多くの食品を摂るか」ではないでしょうか。

(写真提供:Photo AC)

「毎日多くの食材を摂る」ために私がおすすめするのは、「1日の摂取に目を向けるのではなく、1週間単位でいろいろな食材を食べるように意識すること」です。栄養を考えた食事を毎日続けるのがもちろんベストですが、それができないときもあるでしょう。短期的にできない自分を責めるよりも、長い目で見て実現できる方法を考えるほうが得策です。

いろいろな食材を入手するためには、買い物前の準備が重要です。ほうれん草が好きな人は、野菜を買いに行くと、ついほうれん草を手に取ってしまいます。そこで、前もっていろいろな野菜を「買い物メモ」に残しておき、ローテーションを組んで購入すると良いでしょう。スーパーでは売り場をじっくり眺め、普段買わないものを手に取ってみましょう。こうした工夫の積み重ねが、健康的な食事をつくります。

野菜は総じて優れた食材ですが、それぞれにプラスマイナスがあります。仮にほうれん草ばかり食べていれば、シュウ酸の悪影響を受け、摂りすぎれば結石につながります(ただし、茹でてアク抜きすればシュウ酸は減らせます)。だから、ほうれん草ばかりではなく、キャベツもレタスも小松菜も、いろいろ食べることが健康には良いのです。