人類は「口の感覚」を大切にしてきた

チョコレート瞑想を行うことで、先ほどご紹介した効果に加え、さらなるうれしい効果も期待できます。試しに、チョコレートをゆっくり口に入れたときのことを想像してみてください。

(写真提供:Photo AC)

口いっぱいに広がる甘味とカカオの風味。

体温でゆっくり溶けていく舌触り。

噛んだときの柔らかい食感。

口から鼻に抜けていく苦味と酸味……。

いかがでしょうか。

五感が研ぎ澄まされる感覚があったのではないでしょうか。

じつは、口の感度はとても高く、他の体の部位とは比較にならないほどです。脳の中には感覚神経が集まる領域がありますが、その中でも口の感覚を司(つかさど)る領域は、とても大きなエリアを占めています。

つまり、人間は遺伝的に長い年月をかけて、口の感覚を重要視してきたわけです。これを使わない手はありません。

ぜひ、食べるときは味覚だけでなく、食材の見た目や香り、温度や舌触りなどを丁寧に感じてみましょう。

そうすることで「ざらざらしている」「甘みがある」などの、今まで気づかなかった感覚に気づけるようになりますよ。